20世紀の半ば、カンザス州の若き鍛冶屋、ホイット・H・バックは、より切れ味が鋭く、刃持ちのいい農耕用のクワをつくるため、様々な鋼材とその熱処理法の研究を始めた。蹄鉄に使用されていたハイ・カーボン・スチールをより強化し、優れた刃物素材とする技術を開発したバックは、多くの農耕具にその技術を活用して高い評価を獲得。後にその技術をナイフに応用し、世界有数のスポーツナイフメーカーへと発展した。質実剛健な実用ナイフをポリシーとするバック社では、現在よりも優れたエッジ、より長く使える道具を求めて研究、開発を続けている。